ウエダリクオさんの作品の代表的なものが、wind drawingです。
風が絵を描くというもので、あちらこちらで作っておられます。日本より、ヨーロッパの方で売れるそうで、あちらの画廊では何千ユーロというお値段で、売られているそうです。
先日は、日本で作ったwind drawingの作品が、ドイツで売れたというお話でした。どこに飾るのかな?
wind drawingの作品は、古城とかログハウスに飾られるのが、マンションより似合いそうですね。うちはマンションですけど。
wind drawingの絵は、ウエダさんが木の枝とかにペンをセットするわけですが、実際に絵を描くのは自然の風です。あんまり人間の意図が含まれていないはずなんですが、なにかありますね。
他の作品は⇒Rikuo Ueda Wind Drawing
絵柄を見ているだけでは、細い線が、細かったり大胆だったりで、きれいだな、というだけです。
しかし、なにか感じたり、メッセージを受け取ったりは、見る人の意識や心のありようによるんじゃないでしょうか? 人によって、思うところは違うでしょうね。たぶん。
作品によっては、製作期間の長いのもあります。つまり、風に吹かれっぱなし。白い紙は、インクも吸い込みますが、風もたっぷり吸い込んでます。
それは、静かな森の風だったり、暑い海の風だったり、戦場の爆風だったり、排気ガスだったり、放射能だったり、いろいろ。
福島の風が絵を描いているところ(Rikuo Ueda Wind drawing Fukusima Project)
wind drawingには、自然と、人間活動の記録が詰まっているんですねえ。膨大な偶然の組み合わせによる空気の流れが記録されております。
たとえばデジタルの記録だと、DVDやHDDに記録されていくわけですが、再生する機械がなければ、ピカピカ光る円盤だったり、ただの箱です。
文明が変化して、DVDの中身が取り出せなくなった時、人は中にいろんな記録が詰まっているのだなあと想像するしかなくなるんでしょうが、ウエダさんのwind drawingも、そういった過去の記録媒体なのかも、という気もします。
本当は膨大な情報(空気の流れとか)が詰まっているのですね。
レコードプレーヤーはなくなったけど、レコードジャケットを見て、過去に思いを馳せるというのにも似ているかも。
美しい自然の思い出に見えたり、過去からの強烈なメッセージととらえたり、そのあたりは作品により見る人により、自由自在じゃないでしょうか。
ウエダリクオ氏の作品の購入希望は、ハンブルグのギャラリーなのですが、関税の関係で日本から買うのは難しいです。
日本には取り扱いギャラリーがないもので、こちらにご連絡いただければ、ご本人に伝えます。
コメント欄にどうぞ。