ブログ「遠き山に日は落ちて」

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遠き山に日は落ちて 第20話 風

風              2010 ウエダリクオ僕は、チベットの山奥にあるであろう数億年の時を映しだす湖面になろうとした。出来るだけ風の少ない日をえらんで。空が湖底の翠にとけこみ、雲が流れ、時おり渡り鳥がよぎる。風が吹き、全てを湖岸に運...
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遠き山に日は落ちて 第19話 最後の楽園

「最後の楽園」の企画会社を設立。会社名  :最後の楽園 ( The Last Paradise : LP.CO.LTD )ポリシー:美しいこと。苦痛を伴わないこと。理想的な終焉。経費    :ご相談に応じます(クラウドファンディング可能)補...
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遠き山に日は落ちて 第18話 たこ焼

2009年6月、週末の昼から三角公園に行った。難波から地下鉄御堂筋線に乗り、動物園前で降りた。本田神父がいる「ふるさとの家」の前を通って、三角公園に着いた。50円という自動販売機の安さに驚く。途中の立飲み屋には、昼間から人がたくさん入ってい...
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遠き山に日は落ちて 第17話 パフォーマーA(荒木仁志) 其の1 ひろ子

パフォーマーA(荒木仁志) 其の1 ひろ子1993年6月のある日曜日のこと。僕は阪急電車・石橋駅近くのギャラリーで開かれたグループ展に参加していた。荒木さんが訊ねて来たので、作品搬出のあと、このあたりをよく知る彼の案内で飲みに行くことになっ...
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遠き山に日は落ちて 第16話 NYからの電話 1990年8月2日

玄関の前、夏の日差しを避け、軒下にダンボールを敷きつめ作品を作っていた。そこは、奥まった路地になっていて、屋根の間から見える四角い空を数本の電線が斜めに切っている。コンプレッサーの音がぶるぶると響き、コンクリートが白く光る。半開きの引き戸の...
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遠き山に日は落ちて 第15話 12時半の男 

2002年の8月に、危篤だと連絡が入った。毎週、判で押したように夜中の12時半になると電話が鳴る。順番にかけていくと、この時間になるのであろうか。「おう、どないしてるう」その電話ももう掛かってこなくなった。橋本君の家へ行ったことがある。JR...
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遠き山に日は落ちて 第14話 思い出のコロナ 20 July 2022

まだコロナの規制が強い2022年2月末、ドイツ、ボンの美術館で開催された現代アートの国際展 "UP IN THE AIR"に参加しました。僕の作品は、風によって描かれた作品15点、そしてインスタレーションが展示されました。その頃はまだ3回目...
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遠き山に日は落ちて 第13話 オーヘンリー (モロッコ 1972年)

オーヘンリー      モロッコ 1972年フェリーでジブラルタル海峡を渡り、セウタに着きました。セウタは、アフリカ大陸にあるスペイン領です。「カサブランカ」という言葉に惹かれて、海を渡ったのです。たしか、映画のタイトルだったと思います。バ...
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遠き山に日は落ちて 第12話 父

父ヨーロッパ、中近東、アジアと、3年間の放浪から帰国して、数ヶ月がたったある日、父に誘われて、梅田地下街の小さいお寿司屋へ行きました。こんな事は初めてでした。のれんをくぐり、7人ほどが座れるだけのカウンターに、父と並んで腰をかけました。父は...
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遠き山に日は落ちて 第11話 祈祷師

祈祷師ぼんやりとした視線の向こうで紫の煙が揺らいでいた。ずっしりと湿ったベッドへ横になると、そのまま深い眠りについた…1976年にタイの北部チェンマイへ行った時の事です。この町で知り合った力車の青年に、山岳部族の祈祷師を紹介してもらいました...