遠き山に日は落ちて 第20話 風

             2010 ウエダリクオ

僕は、チベットの山奥にあるであろう数億年の時を映しだす湖面になろうとした。

出来るだけ風の少ない日をえらんで。

空が湖底の翠にとけこみ、雲が流れ、時おり渡り鳥がよぎる。

風が吹き、全てを湖岸に運んでいく。

そしてなにもなかったかのように再び空が広がる。

すべてはすでに用意されていた。

僕は23歳だった。

あてもなく旅し、目的のないことに酔いしれる。

ノルウェーには雪があり

モロッコには砂漠があり

アフガニスタンには山があり

インドには河が流れていた。

無一文でドイツをさまよっていた時、スコットランドの青年ピーターと出会った。

彼も一文無しだった。

誕生日の日に詩をくれた。

デンマークで風と出会った。

I think we think too much

And fail to see

In simple things reflections eternity

We are cut off our own life sources

And love lost source of

Joy and Ecstasy.

Petar Lyth

2024


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