ブログ「遠き山に日は落ちて」

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遠き山に日は落ちて 第10話 世界で一番黒い黒

世界で一番黒い黒茨城県のつくば学研都市の中にある、独立行政法人CNTチームという所を訪れたことがあります。これは最先端技術であるCNT、つまり「カーボンナノチューブ」を研究している施設です。美術をしている僕が、どうしてここを訪れたのかといい...
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遠き山に日は落ちて 第9話 教祖

教祖Aさんは、パフォーマーであり、現代美術作家でもある。普段は、本ばかり読んでいる。彼の住まいは、阪急庄内駅から梅田方面に向かって徒歩10分程の場所にある。今にも崩れそうな下宿の一室だ。その下宿は二階建てで、炊事場付きの四畳半の部屋が6つあ...
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遠き山に日は落ちて 第8話 盲目のガイド

盲目のガイドオランダの田舎町、ヘイノで行われる展覧会の合間をぬってアムステルダムから汽車に乗り、途中オズナブルッグで乗り換えて、ハンブルグ中央駅に着いたのは、もう4時を過ぎていました。2004年の6月のことです。翌朝、友人の勧めでハンブルグ...
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遠き山に日は落ちて 第7話 よくある話

よくある話其の1 Kさん2005年1月に、長崎市にあるブリックホールで行なわれる展覧会に、招待作家として呼ばれた。オープニングには、美術館の館長、ITが来ていた。僕も若かったので、やり手で知られるITに近づこうとして話しかけていると、突然知...
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遠き山に日は落ちて 第6話 美術運送

美術運送美術を始めて間がなかった頃は、毎月のようにコンクールに挑戦していました。外に発表の場もなく、賞金目当てだったのと、優越感が欲しかったのだろうと思います。実際、賞を貰うと元気がでたものです。日本国際美術展へ出品した時の話。廃材の柱を拾...
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遠き山に日は落ちて 第5話  ピーターの話

ピーターの話20代の頃、ミュンヘンのユースホステルにいた時の事です。ドミトリーの部屋で、スコットランドの青年、ピーターと知り合いました。ひょうひょうとした彼は、シャワーを浴びた後に裸でうろついて「人々を助けないと」と、いつもつぶやいていまし...
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遠き山に日は落ちて 第4話 キッチン

キッチンリザボー通りを左へ曲ると、突き当たりでタクシーは止まった。「ここよ…」とデビーが言った。棟続きの奥から2番目。3段程の石段を上がり、ベルを押した。たしか、ニュージャージーに住でいる友人のアパートも、リザボー通りだった。多分この通りの...
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遠き山に日は落ちて 第3話 Hamburg Radio

Hamburg Radioいい音楽ですね、と一言つぶやく。深夜のタクシーの中で、ダッシュボードのイルミネーションが町の灯りのように輝く。赤茶けたSバンのガードをくぐり、10分程でローゼンブルグスオルトに着く。大きくUターンをすると、タクシー...
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本人ブログ「遠き山に日は落ちて」第2話「淡い青春」

淡い青春其の1Mは、芸大の学生だった時、京都に住んでいました。その日Mは、夜中まで友人と飲み歩いていました。最後に入ったお寿司屋で、そろそろ帰ろうかという時に、Mは折詰のお寿司を注文しました。上にぎりを詰めてもらい、板前さんが蓋をしようとし...
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本人ブログ「遠き山に日は落ちて」第1話「微風」

微風其の1用もないのに、フェリーターミナルの待合室へ行ったことがありますか。用もないのに、空港へ行って喫煙所で煙草を吸ったことがありますか。用もないのに、電話ボックスへ入り受話器をとったことがありますか。用もないのに、スーパーへ行って食品棚...